
―「函館コレクション2024」YouTube配信の舞台裏―
令和6年12月1日(日)、函館市役所にて「函館コレクション2024(以下、函コレ)」が開催されました。函コレは、すべての人を社会的孤立や排除から守り、障がいの有無や年齢、性別、国籍などの違いを超えて多様性を認め合うことを目的としたイベントです。当日は、障害の有無を問わず誰もが参加できるファッションショーが行われ、そのYouTube配信を私たちが担当しました。そして、この配信において、函館西高等学校放送局の学生たちが大きな役割を果たしました。

地域の高校生たちの挑戦
私たちにとっても、高校生と一緒に撮影を進めることは、とても貴重な経験でした。学生たちは学校の放送局で活動しているものの、ライブ配信は未経験。撮影もスマートフォンが中心で本格的なカメラや三脚などの機材に触れるのは初めてのことでした。最初は学生も先生も「本当にできるのかな?」と不安そうでした。でも、学生たちは驚くほど意欲的で、すぐに環境に慣れ、積極的に取り組んでくれました。

「そこをやりたい!」―積極性が生んだ成果
現地では、三脚の設置やカメラワークの基礎を学びながら、実際の配信業務を共に進めました。こちらも実務で高校生に教えるのは初めてだったため、手探りの部分も多かったですが、お互いにコミュニケーションを密に取りながら進行しました。学生たちはケーブルの配線など細かい作業も現場を意識しながら習得し、どんどん成長していきました。

象徴的なエピソードがあります。カメラの配置を決める際、最も難しいポジションを示したところ、一人の学生が「そこをやりたい!」と手を挙げました。ファッションショーの出演者の動きに合わせ、スムーズなパンやズームイン・アウトを行うのは、慣れていても緊張するものです。本番直前まで重要なポジションを高校生に任せることに悩んでいましたが、その学生が「最後までこの場所で撮影を続けたい!」と諦めずに挑戦し、何度も練習を重ねていたため、最終的に撮影を任せることにしました。その結果、見事に2時間に及ぶ撮影を完走。函コレ出演者の動きを的確に捉え、配信された映像も、どこからが高校生かわからない仕上がりとなりました。

若い世代の可能性、共に生み出す新しい価値
イベント終了後、高校生たちは「またやりたい!」と目を輝かせていました。彼らは撮影技術だけでなく、チームワークや現場での判断力も学び、今後も学校でその経験を活かしていくと話してくれました。ある学生は、「カメラ操作には自信があったのですが、実際の現場ではまだまだでした。チームで動くことの大切さを学ぶことができました」と手紙を寄せてくれました。大人が「できない」と決めつけず、機会を提供すれば、彼らは確実に成長します。今回の経験を通じて、高校生の可能性の大きさを改めて実感しました。

私たちにとっても、若い世代と関わり、彼らの成長を支援できることは大きな意義があります。これまでも、ボランタリーで携わっているTEDxSapporoで積極的に高校生を招待し、一部のブース出店などで参画してもらってきました。これからも、さまざまな機会を通じて高校生たちのチャレンジを支援し、共に新しい価値を生み出していきたいと考えています。