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「松前三下り」MV公開

2023年制作の短編映画作品「Sisam -松前三下りを探す-」の中で歌われている「松前三下り」のミュージックビデオ(MV)を公開しました。
※「Sisam -松前三下りを探す-」は北海道映像コンテスト2023で奨励賞を受賞

松前三下りMVについて

本作品は、アイヌ文化継承者のToyToyさんと江差追分の歌い手であるKAZUMIこと木村香澄さんが、松前で途絶えようとしている民謡「松前三下り」を探し出し、新たに表現したものとなっています。
松前三下りには、歌い手により無数の歌詞が存在していますが、その中の1つに松前町に住む人々とアイヌ民族との関係を示す唄を見つけ出すことができました。
「三下り」は、本来三味線の調弦名称で、本調子の第3弦を長2度下げたものを指しますが、本作品ではアイヌの民族楽器「トンコリ」の音色に合わせたものとなっています。

歌詞

沖は寒かろ 着て行かしゃんせ

情け アツシの蝦夷衣

演者の声

アイヌ文化継承者のToyToyさん

松前町の深い歴史の中で、【松前三下り】という民謡の存在を知ったのが2年前だった。
そして、KAZUMIさんの力を借りて、松前三下り唄さがしの旅が始まった。
そして発掘された松前三下りの歌詞の中に、アイヌの存在が見え隠れする歌詞が含まれていた。
僕は唄が探してくれって言っている気がしていた。
そして唄は息を吹き返して来た気がした。
松前三下り唄の旅はまだ続く気がする。

ToyToy屋

江差追分の歌い手である木村香澄さん

松前三下りは江差三下りの節回しにも似ておりますが、北海道には少ない道南が誇る素晴らしいお座敷歌です。これを機会に地元の皆さんをはじめ多くの方々に知って頂けたら幸いです。

香澄 -KAZUMI-

松前町について

松前町は北海道最南端に位置し、桜の名所として知られる北海道唯一の城下町。

振り返り

MVの撮影・編集は本作品が弊社として初作品になりました。
「沖は寒かろ 着て行かしゃんせ 情け アツシの蝦夷衣」という歌詞は、海に船で出ていく人々に、寒さをしのぐためにアイヌの着物である「アツシ」を着ていって欲しいという、帰りを待つ人の思いをのせたものであり、その情景を意識して構成しました。
よいち水産博物館から提供いただいた「船絵馬」は、船の航海安全を祈願し社寺に奉納する搭乗船を描いた絵馬であり、そこに「アツシ」を着た人々が描かれていることは歴史的な背景とも一致しとても貴重な資料となっており、歌と絵という歴史の事実を重ね合わせた作品となっています。
本作品の撮影はSONYのミラーレス一眼に加えiPhoneも使用しています。音作りは、LaufenのKatsuさんに行っていただきました。
まだまだ学ぶこと、知ることが多いMVの制作ですが、今後も続けていきたいと思っております。